唇を丸く厚く1

高生着率脂肪注入で、唇を厚くした、30歳代前半のモニターさんです。術後の写真は、術後3ヶ月を経過しています。本人さんの希望で、唇の横向きの拡大は、できるだけ抑えるような形をとっています。注入量は、上下各、0.5㏄と、少な目です。

脂肪注入で唇を厚くするのは、長年の間、満足率の低い手術でした。唇は、基本的に動きの激しい箇所なので、脂肪の生着率が悪く、元に戻ってしまったという不満が、どうしても多い箇所でした。
そこで、一部では、唇の外縁にメスを加えて皮膚を切り取り、外側にまくれ上がらせるという手術が行われていました。この方法は、確実に唇の厚みを出すには、良い方法だったのですが、如何せん、傷の問題があり、あまり多くの患者さんに受け入れられるものではありません。それはやはり、唇の性質として、「よく動く箇所である」ということが、大きく関係しています。基本的に、良く動くというのは、傷をきれいに治すには、不利に働きます。つまり、この唇の外縁の傷は、太く硬くなりやすい傷ということです。また、この傷は、口紅を塗って隠すというのが、意外と困難です。傷の組織は、皮膚や粘膜とは違って、表皮の構造がないため、口紅がくっつきにくいのです。
このような、唇の外縁を切る手術の問題点を解決するために、次に出てきた手術法が、唇の裏側をギザギザに切って、外側にずらしていく方法です。V-Yアドバンスメント法という、形成外科の基本手技を、唇の裏側で連続的に行うという原理です。この方法は、傷が表面からは分からず、口紅を塗るときの不都合もないため、比較的多く受け入れられました。しかし、術後の腫れや内出血の度合いが大きく、さらに、それらが長引く傾向にもありました。そこで、効果としては短いのですが、ヒアルロン酸などのフィラーの注入が、この手術よりも人気がありました。
ヒアルロン酸などのフィラーの注入は、手軽に行えて、術後の腫れなども少なく、人気があります。それはやはり、唇にメスを入れない、注入であるところから来ています。そこで、やはり唇にメスを入れない、高生着率脂肪注入で、唇を厚くしたのが、こちらのモニターさんです。但し、ヒアルロン酸とは違って、一度注入した脂肪を減らすのは、非常に困難ですから、控えめに注入することを、お勧めしています。